保坂和志の本を読んでると考え方がうつるなあ。
以下「カンバセーション・ピース」の記憶についての考察を読んで、考えたこと。



 【自閉症じゃない人】*1は、昔のことを思い出す時、自分から見た視点だけに固定されていない。思い出の中に自分の姿もあったり、自分が実際には見ていない*2周囲の人の前後の様子まで画面に入ってる。
 例えば、私が幼い時カーテンを掴みながら窓から落ちた(1階です)時のことを思い出すと、自分視点で落ちていく時に見える光景*3よりも、自分が落ちていく姿や、落ちた直後の友達の笑ってる様子*4の方が、自然に浮かぶ。

 《自閉症の人》は、自分から見た視点しか思い出さないような気がする。自分から見た視点が強固だからこそ、同じ道順(同じ景色)で行くことにこだわるのでは。


 【自閉症じゃない人】は記憶を「抽象化」する。物語にしてしまう。自分の視界に見えたことだけではなく、自分が見ていなかった事柄や想像したことも含めて物語として再構成する。

 《自閉症の人》は再構成が苦手。


 《自閉症の人》は視覚的な記憶がカチッと固定されるけど、【自閉症じゃない人】の視覚的な記憶は、後から再編集されつづける。

*1:すみません。自閉症の対義語を「普通の人」「健常者」とするのに抵抗があるので。「定型発達者」という言い方でもOKですが

*2:後から話を聞いて知ったか、想像したか

*3:空とか

*4:私は逆さに草に頭をつっこんでるので見えてないはずなのに