君とぼくの虹色の世界 

  • そのスピリチュアルライズドが予告編に流れる「君とぼくの虹色の世界:原題you and me and everyone we know」
  • BS2 5月13日(火) 午後9:03〜10:36

君とボクの虹色の世界 [DVD]

 この映画は評価のばらつきが大きい。10点か0点かという感じ。私にとっては人生の1本。
 どこかまぬけでフッと笑えるのに、頭を殴られたぐらい切実。大人は不器用で子どもは世知辛い。みんな大きな諦観をかかえてる。でもどこかで信じてる。この世界はもっと別様のもっと素晴らしいもので有りうると。

彼女は”不思議ちゃん”みたいに思われているけど、それはちょっとちがうと思うんです。・・・孤独や傷を徹底的に直視するというか、冷静に客観視していて、その厳しさはほとんどハードボイルドに近いところがあると思う。   ユリイカ3月号P184

 この岸本佐知子さんの発言の後で山崎まどかさんが言ってたけれど、ミランダジュライは大島弓子に近いと思う。

 そして全てを知っていて全てを諦めているかのような子どもたちは岡崎京子の登場人物だ。女子高生2人が開放感とともに駆け出すシーンは「虹の彼方に」だ。

 この映画は群像劇なので、最後に山場がいくつもくる。そのどれもが素敵だ。一番最後の一番ささやかなタネ明かしに、無限の広がりと荘厳さを感じさせられる不思議。


 ユリイカの短編小説もすごく良くて、図書館で速攻コピーした。そして速攻捨てられた。「最新刊は購入できるからコピー禁止」って雑誌にデカデカと書いてあるのに何故見えないかな自分・・・。