NHK杯 男子シングルFS

  • ベルントソン。マイムの王子はやはり大人気。とはいえ生観戦してみたらすごく遅いことばかりが気になり、これは点が出ないわと納得してしまった。国内戦で負けて欲しくないとおもっていたが、正直厳しいのかも知れない。
  • ボーン・チッパー 彼の高い3Aが見れたので大満足。スピードもなかなかあったので、点の出なささが不可解に感じた。しかし冷静に考えてみればコンボ一回も跳んでなかった・・・。フランス大会も12位って・・・。
  • 村上大介 もしかして日本人で一番TECが高いのでは?という印象を受けた(調べてみたら高橋大輔の方が高かったが、たった3点差)。隣の子が、ジャンプ要素が全て終わってホッとした顔から、まだ鬼ステップが残ってるUZEEEEEという顔に変わった瞬間をみたとのこと。確かに嫌だよねモロゾフの鬼ステップ。
  • アダム・リッポン リッポンは3Aが1回決まるだけでも、(昔の苦手さを知ってるだけに)すごいと思ってしまう。あと、のけぞってジャンプするのが超エロいので、ジョニーもやるといいと思います。
  • ボロドゥリン 嵐の前の静けさ。記憶の空白地帯。
  • ブレジナ FS2位も納得。ここから先みんなブレジナ君を超えろよ!と念じる。そしてブレジナ君には国内選手権でチェコの先輩を火事場に追いつめてほしい。
  • 小塚崇彦 4Tが決まらなかったけれど、6分間練習で決めてくれたのでかなりの満足感があった。3Aは2回とも失敗したけれども、そんな日もあるさぐらいにしか思わなかった。しかしスコア見ると、FSはアボットどころか村上大介より下の10位・・・両方ともステップレベル2・・・。かなり好きな選手なので全日本では1位取るぐらいの心意気できてほしい。
  • 高橋大輔 会場全体を包む「待ってました!」な雰囲気。怪我から帰ってきたという感動的なストーリー。普段お涙頂戴は苦手なんだけれども、いかんせん流れてくる音楽がニーノ・ロータ。「ファーミファミラー」とトランペットが鳴ると、「昔みたいに跳べるようになるか分からない。でもなんとかここまで来た」と脳内アナウンスが流れ出す。やばい。脳内麻薬が出てきてる。まず、3Aは◎!、そして4Tに挑んできた!後からインタビューで「成功確率は高くはないけれど、気持ちで跳びます」と言っていたと知り、爪の垢を煎じたいと思った。そこから先は失敗したり成功したり。時に転んだり、時に上手くいったり、古傷を抱えた、挫折の多い人生。なんだか高橋がフェリーニの「道」の主人公、ザンパノに見えてきた。目から水分が出てきた。音楽の力を上手に借りれるという意味でも、良プロだと思う。
  • ジョニー・ウィアー
    • 音楽はやっぱりぼやけてる。いつか「サンサーンスのオルガン付きで傲慢不敵自分に恋い焦がれて死んでしまうナルシスを!」だとか、「シェヘラザードで姫を誘惑する中性的な異国の金の奴隷を!」だとか妄想してきたので、大事シーズンに両曲を演じるのが同国のライバルとは・・・。
    • 6分間練習で相当ループの練習をし、連取終了直前でもずっとループのイメトレをしていたので、ただでさえ苦手なループが相当不安なんだろうと思っていたら、案の定本番で失敗。さらに、ラスト30秒でステップもスピンも止まりそうなぐらい遅く精彩を欠く。スタオベできなかった。FS2位の表示に会場はブーイングが起こるも、私は隣の子と「納得」「元気ない」「遅かった」とうなずき合う。合計で僅差で暫定1位と表示されたとき、「運がいいね」と思ってしまった。本人はこの出来をどう思っているのかと終了後の表情を注視していると、ズミコーチに力なく微笑みかけていた。・・・体調不良か。
    • 体調不良の中、しかもジャンプ絶不調*1の中、3A-3T(何年ぶりだ!?ここだけは思わずガッツポーズが出た)、そして3Aをなんとか決めてきたのはそれなりに精神力が強くなったんだろう。しかしそもそも試合で体調不良が多すぎる。飛行機の中が乾燥しているのは毎度のことなんだから何らかの対策取れないのか。ジョニにブレーンは居ないのか。
    • やっと本人がプログラムの大切さを自覚して、ちゃんとした振り付け師(デヴィッド・ウィルソン)に振り付けしてもらって、彼らしい個性を発揮し始めたら、こんどは何も考えずに跳べていたジャンプが跳べなくなるって・・・。切ない。最後のシーズンなんだから、全米、そして世界選手権に照準を合わせてジャンプの神様が戻ってきますように。
  • ジェレミー・アボット やはり自爆装備か。そしてジャンプがダメだとステップも精彩を欠くと。あなたのステップかなり楽しみにしてたんですけど。アポファンとしては怒り心頭。そしてジョニファンとしては、アメリカの代表争い面白くなってきた・・・*2と。
  • ジュベ 最初の4Tでさすが!やはり強い!と思ったものの、4回転それきり。セカンド2Tだらけ。4回転3回宣言があっただけにもやもやしてスタオベできず。ただ、直後の勝利インタビューで、刈谷アナが「4回転を1回だけにしたのは、1回だけでも勝てるなと思ったからですか?」とツッこんでくれて溜飲が下がる。会場も「いいとこついたー!」と沸く。


表彰式。2000年のNHK杯で何も考えずにジャンプがわしわし跳べていた、無邪気なジョニ。あれから5年。遠いところに来たなあ。

*1:今年6月金沢であったジュエリー・オン・アイスでも4講演すべて不調、今回のExでも怪しげ。Exで不調だなんてやはり相当不調なんじゃないだろうか。

*2:ジャンプの質?vsジャンプの質?vs自爆持ちvsムロズさんvsキャリエールvsリッポンvs経営者